ばあちゃんの話
あやはばあちゃんが一番好きだ。
これはずーーーっと小さい頃から言ってた。
福岡いた頃はよく預けられてたし本来なら
【じいちゃんち】と言うべきなんだろうけどあやはばあちゃんが好きでばあちゃんに会える家だから
【じいちゃんち】ではなく【ばあちゃんち】って言ってたんだ。
ばあちゃんちに行くと大きいばあちゃんにも会えるからばあちゃんちが大好きだった。
大きいばあちゃんは自分で言うけどあやの事が本当に大好きでばあちゃんから引き剥がしてはこっち来い、あれ買ってあげよ、散歩いこ、遊びいこ、大きいばあちゃんの部屋においでって。
あやはその頃、お兄ちゃんと二人兄弟で従兄弟もまだ生まれてなくて家系では天下だったんだよね。笑
でも寝る時はばあちゃんが良くておちゃらけて笑わしてくれるのもばあちゃんだった。
風邪とか病気したらばあちゃんちにすぐ投げられて朝からご飯二杯たべさせられてブンブク太ってから帰らされる。
ばあちゃんの味噌汁が大好きでばあちゃんがつくるご飯が大好きだった。今も大好き。
東京に出てからも低学年だったけどばあちゃんと大きいばあちゃんに会いたいからって一人で飛行機乗って一人で帰ってた。
丸1ヶ月福岡いるから帰るのもの帰すのも面倒でばあちゃんはいつもうちであんた一人くらいって言ってくれてたんだけど。
じいちゃんが
ザ、九州男児だから酒飲むとばあちゃんのこと罵り、酔って窓ガラス割ったりビール瓶投げたりするから夜は怖かったんだよね。
ばあちゃんはそのせいでじいちゃんはボケた、あれはしゃーなかって言ってるけどそれでも毎日耐えて耐えてボケるまでそばにいて今も毎日病院通ってるの。
やっぱりそんなばあちゃんが好きって思うしすごいと思う。
だけどばあちゃんは電話するたびにあんたはすごいあんたが一番すごいあんたは偉いって褒めてくれて。
ばあちゃんが一昨年、乳がんになった時4年ぶりくらいに連絡とったの。
身内に連絡とったら負けだった思ってたしまた面倒に巻き込まれたくもなくて。
でも会えないで大きいばあちゃんみたいに最後さよならして段々思い出も記憶も薄くなっていくのかなって思ったら悲しくて寂しくて福岡帰ったんだよね。
それから週に二回は電話くれて一時間くらい話すんだけど楽しいけどさみしいし切なくなる。
今日も一人でご飯食べたのかなとかあんな大きい家に一人寂しいだろうなとか早く帰らなきゃって思うけどなかなかゆうりのタイミングもお金もうまくいかなかったり。
あんたは孫だから何もしてくれなくていい。
あんたはばあちゃんにいつも一番してくれてるって。
子供に迷惑かけるから心配せんとって言ってるけど子供からは迷惑かけられすぎてアタッシュケース持って東京何回も来たり。
ばあちゃんはいつ報われるんだろうって思うけど今寝たきりのじいちゃんが居なくなったら肩の荷が降りすぎてばあちゃんも居なくなくなりそうってやっぱり思ってしまう。
あやって気づいたらいろんなことからいつも遠いな。
近くにいて近くにあって大事なものはもっと大切にしないといけないのに近いからっておざなりにしちゃうけど遠くなってこうやってあの時もっとって後悔しても毎日すぎていっちゃって。
こればっかりはどうしようもないけど早くばあちゃんに会いたいな。